ジャイナ教の聖地 シュラバナベルゴラ
2018年夏、家族5人で南インド カルナータカ州へ旅行に行ってきました。
マイソールに2泊し、1泊目はマイソール市内観光(マイソール宮殿や市場)、2泊目は近郊観光(シュラバナベルゴラ)へ行ってきました。
シュラバナベルゴラは、これまで14ヶ国旅行した中で、特に良かったなぁと思える場所の1つでした。
今回はその大好きなシュラバナベルゴラについて書きます!
シュラバナベルゴラにあるゴマテーシュワラ像。
12年に1度のお祭りの後で、その時に使われた足場がまだ設置されていました。
この足場を登って頭の上まで行き、お水をかける経験をさせていただきました!
シュラバナベルゴラとは
シュラバナベルゴラとはどんな場所なのか?
今回の旅行は下調べほぼゼロだったので、何もわからないままその場所へ・・・。
ジャイナ教の聖地であること、ゴマテーシュワラ像は長い瞑想をしており、今では蛇が住んでいたり蔦に覆われたりして自然と一体化していること(ゴマテーシュワラ像の前で熱心に拝んでいた女性が教えてくれました)。ジャイナ教徒にとってはとても重要な場所・・・ということは分かったのですが、どんな意味がある場所なのか、どんな歴史のある場所なのかということは行っただけではわかりませんでした。
シュラバナベルゴラは、マイソールの北部80キロメートルに位置する。ビンディヤギリとチャンドラギリという二つの岩山がある。南インド最大のジャイナ教の聖地として知られ、10世紀末に裸行派によって一枚岩を彫り出して造られた高さ18メートルのゴマテーシュワラ像がある。
(コトバンク https://kotobank.jp/word/シュラバナベルゴラ-1711017)
まさに岩山のてっぺんに向けて登ります。裸足で。
そのため、太陽が照っているときは岩肌が熱く火傷をしてしまいそうなほどとのこと。
私たちが行っていた時期は雨季だったので、曇っていて大丈夫でした。
↓少し登ったところから見下ろした写真。街や建物の他にはヤシの木の緑色がまるで絨毯のように広がっています。南インドで見られるこの光景がとっても好き。
シュラバナベルゴラは、ジャイナ教の中でも衣服を身につけない宗派の聖地の一つです。この場所を中心に32の僧院があったとされています。
ゴマテーシュワラ像は981年に造られました。ジャイナ教初代祖師の息子であるゴマテーシュワラは、ジャイナ教24聖人の一人で、裸で12年間直立で瞑想し、その体には蔦が絡んでいたとされています。
(西遊旅行インドみどころMAP http://www.saiyu.co.jp/special/india/midokoro/karnataka_goa/)
↓ゴマテーシュワラ像の足下には蛇や蔦が彫られています。
行った後に調べて「なるほど〜」ってなるの、面白いですね。
さらにこの場所は観光客が少なく、どちらかといえばジャイナ教の敬虔な信者が多いイメージ。熱心に拝んでいる女性や、お供え物をしている人々が印象的でした。
幻想的なゴマテーシュワラ像やスケールの大きい岩山だけでなく、そんな光景からも、この場所をさらに好きになることができました。
マイソールから車で移動-さとうきび工場の見学-
私たち家族は、今回運転手さんを頼んでシュラバナベルゴラまでも車で向かいました。
マイソールを朝の9時に出ると、ちょうどお昼頃に到着します。
シュラバナベルゴラまでの道のりは整備されており、あまり揺れずに快適。(スピードを出しすぎないための道の凸凹はありますが;これがインド車の旅には大敵・・・な気がします。速度を緩めるのですが、酔う;)
さとうきび畑や田んぼ、さとうきび工場からモクモクと上がる煙・・・さらに、絹を生産している村や、木のおもちゃを生産している村など、いろいろな場所を通り抜けるのはとても面白かったです。
帰りに、さとうきび農家にお邪魔しました。(突然の訪問を受け入れてくださりありがとうございます・・・!)
この大きな鍋の中で、さとうきびを煮て砂糖を作っています。
これが砂糖。手で丸めているのかな。一口いただきました。黒糖のような・・・?なんだか懐かしい味がしました。黄色い砂糖って初めて見た・・・!
ただ、ここの家のおばあちゃんたちは私たちにも笑顔で接してくれたのですが、息子さん家族と思われる人々は好意的には接してくれず。そうですよね、突然外国人が来て写真撮りまくったり、日常の生活の場に踏み込んでいるんですから。。。逆の立場だったら、ちょっと嫌だなあ、と思ってしまいました。
シュラバナベルゴラを登る
シュラバナベルゴラに着くと、まず靴を預ける場所があります。その付近にトイレ(有料)もあるので、そこでトイレを済ませておきましょう!
↑靴を預ける場所。右前にいる本を抱えたおっちゃんはお土産物を売っている人です。お土産物売りは他の観光地と比べてかなり少ないです。また、オレンジ色の服を着た人が多いですが、ジャイナ教徒はオレンジ色の服を着ます。マスクをつけて、白い服を着て・・・というイメージだったので、びっくりしました。宗派によっても違うのかな?ちなみに、12年に1度のお祭りの際には裸の聖人が何人も来ていたみたい。
↑看板の下の椅子に座っている女性にお金を払って入ります。中はとっても綺麗。インドのトイレってどこも綺麗です。汚れちゃっても水でザバーンと流せるから?インドのトイレ=汚いと思っている方、そんなことないんですよと言いたい。日本の公園とかにある公衆トイレの方が汚いんじゃないかって思っちゃいます。
靴を預けたら、ここから登ります。登るのが大変な人は、男衆が椅子に乗せて担いで上まで連れて行ってくれます。
こんな感じに。ご老人とか、めちゃくちゃ太っている人が乗っていました。健常者でも、かなり急な上り坂なので大変でした。上に着く頃にはヘトヘト。
それでも、インドの人たちは「どこから来たの」「写真撮って」などと明るく接してくれます。いつでも笑顔なインドの人たちが素敵すぎる( ´ ▽ ` )
そんなインドの人たちと交流し、ハッピーな気分になりながら・・・長くて急な階段を上ると、寺院の中にゴマテーシュワラ像があります。
ゴマテーシュワラ像に登ったよ
像の周囲には、
12年に1度のお祭りに使われた足場がまだ残されていました。
ジャイナ教徒の人々が、頭の上に登って像に何か液体をかけています。ミルクのように見えました。(実際、像の近くに行くとかなりミルクのような匂いがします)
像の左側に行くと、登る方々のための受付がありました。
ダメもとで「登りたい」と言ってみると、最初は「ジャイナ教徒だけ」と断られましたが、少し経って男性はオレンジ色の袈裟を着なければならないこと、家族全員で5000ルピーかかること、それでも良いなら登ることができること、を告げられます。
5000ルピーって日本円で8000円くらい。幾ら何でも高すぎない?けれど、それだけの価値はある。(これだけかかるということは、ここに登ってる人って、全てのジャイナ教徒、というわけでなくてお金持ちだけ・・・?という可能性もある)
ということで、5000ルピー払って登ることにしました!
↓受付の男性に着付けをしてもらう父
着付けが終わったら、さらに上へと登って行きます。
最上部にはこのようなタンクがたくさん並んでおり、中に水が入っています。
この中から壺に水を汲んで、
このように水をかけます。(写真は母)これって水だったのか。絶対ミルクだと思ったんだけどなあ・・・
下を見下ろしてみると、こんな感じ。
像の足元では、人々がご飯を食べているように見えました。
このご飯、いろいろな場所に供えてあったので、お供え物でもあるのかもしれない。
そういえば、南インドにはお米の粉を使って玄関前に床絵を描くという慣習があります。あれには、虫たちにもご飯を分け与えてあげるという考えもあると言います。ご飯がそのままお供えしてあるのって、そういうことかな、と思ったりもしました(あくまで私の考えです)。
↓像に水をかける弟。
シュラバナベルゴラに行ってみて
現在、インドにジャイナ教徒は450万人ほどいるらしい(ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/ジャイナ教)。全人口の0.5%に満たないらしいですが、私たちがシュラバナベルゴラを訪れた日も多くの人がこの地を訪れていて、インドの多様さを感じました。
ゴマテーシュワラ像には、12年に1度のお祭りなどで、やはりミルクがかけられるみたい。像に近づくとミルクの甘い香りが薫ってきたり、そこら中にお米がお供えしてあったり。それがなんだか不思議で、何か人とは別の存在のためのようなものな気がして。
素敵だ!(語彙力がないけれど、素直にそう思いました)
いろいろな宗教が混在しているインド。それらを信仰している人、人が祈りを捧げている場所を見たり行ったりしてみると、何か感じるものがあるなあと思います。
もっといろいろな場所へ行ってこの「何か感じる」を深めて行きたいな〜、と思いました。